秋になると10月を中心に全国各地で秋祭りが行われます。春祭りは豊作祈願のためのもので、秋祭りは収穫を感謝する一年の締めくくりの祭りとなります。数ある秋祭りの中でもとくに荒々しいのが「けんか祭り」と呼ばれるもの。全国各地で激しく開催されるアドレナリン大放出の祭りです。
灘のけんか祭りってどんなお祭り?
全国に数あるけんか祭りの中でも最大級と言われ毎年10月14日、15日に兵庫県姫路市の松原八幡神社で行われる秋季例大祭です。「灘まつり」とも「妻鹿のけんか祭り」とも呼ばれています。
けんか祭りの醍醐味はなんといっても神輿のぶつかり合いですが、灘のけんか祭りは3基の神輿と7台の屋台が町中を練り、時に死傷者が出るほどの激しい祭りです。戦前の頃にはすでに播磨地方を代表する祭りとして知られてきました。
宵宮である14日は周辺7カ村の屋台が神社に入り、各村の屋台同士で「練り合わせ」が行われます。本宮である15日には朝から屋台の練り合わせが神社前の広場で行われたのち、神様が移っているという3基の神輿が境内に入り、激しくぶつかり合う。ここが祭りの一番の見どころとなります。この神輿のぶつかり合いが「けんか祭り」の所以なのです。
激しくぶつかればぶつかるほど神様が喜ぶというので、神輿が壊れるのもお構いなしに激しく衝突します。ルールなどは特になく、とにかくぶつかります。神輿がバランスを崩して傾く事もしばしば。神輿をかつぐ「練り子」の皆さんは、はさまれたり下敷きになったりしたら大けがでは済みません。
まさに命がけの「けんか祭り」なのです。
けんか祭りを安全に見学するには?
祭りのメインである神輿のぶつかり合いは境内と、御旅山のふもとの練り場の2カ所で見られます。・・・が、危険です。練り場では「桟敷席」という有料の観覧席が設けられます。最大のメインの場所でもありますし、そこで観覧するのが一番安全で醍醐味も味わえるでしょうが、地元の人しか購入できません。だいたい2~3万円前後で、最前列の特等席は10万円前後とも!一般人はご招待されない限り座れません。地元に伝手でもない限りは観覧席の確保は難しいでしょう。
神輿が常にバランスを保って担がれているわけではありません。傾きますし、地面に転がったりもします。十分な間隔を空けて誘導されていても、人垣に向かっていく事もあるのです。すぐに対処できないお年寄りやお子さんは十分すぎるほどの距離を保って見学しましょう。
境内で練った後は、御旅山の練り場へ移動しますが、練り場での見学はさらに場所もなく危険です。狭い上に屋台と神輿の移動に合わせて人波も移動しますから、何かあったらどうにもなりません。例年15万人が観覧に訪れるという祭りですから混雑ぶりも半端ないでしょう。
座って見学できるだけのスペースもないので、ほぼずっと立ち見は覚悟して行きましょう。
立ち入り禁止のエリアもありますので、係り員の方の指示に従って安全に祭りを楽しんでくださいね。
祭り会場周辺に駐車場はあるの?
基本的に駐車場は用意されません。公共の交通機関を利用してお出かけされることをオススメします。付近に有料駐車場はいくつかありますが、台数に限りがあるため車で来場する際には早めに現地に入る事です。祭り当日は車両交通規制も敷かれるのでご注意を!
市内にいくつかビジネスホテルが点在しているので、そこに宿を取って駐車場代を浮かすという手もあります。なんにせよ、祭りを見学した後はグッタリだと思うので一晩休んでから帰路につかれた方が良いでしょう。
祭りの開催が週末にかかる年は大混雑必至です!早めの計画を立ててお宿の予約もお早めに!
まとめ
灘のけんか祭りは過去に死傷者が出たこともあるほどの激しい祭りです。地元の方によれば祭りの最中に重傷を負う事もあるそうで、祭りの開催期間が過ぎてから亡くなる人もいることから、実は毎年死傷者が出ているんだとか・・・。神輿に近付き過ぎないよう、人ごみに押しつぶされてしまう事もあるため、くれぐれもご注意ください。
「死ぬまでに一度は見ておけ灘祭り」と言われる灘のけんか祭り。
開催日は10月14日・15日と固定なので、気休めでも週末にかからない少しでも混雑しない時に一度は見ておきたいですね!