「風邪」と呼ばれる病気の95%はウイルスが原因です。しかもこの風邪ウイルスは200種類以上あるなんて言われてますから、毎年何度でも感染するんですよね。でも「また風邪かー」なんて思っていたら違う病気かもしれませんよ?
咳が止まらない!大人のマイコプラズマ
1シーズン、風邪をひかずに過ごせた年はそうそう多くはありません。数多くあるウイルスが順番待ちをしているようなもんで、身体が弱っているようなときは次から次へと風邪をひいてしまいます。
すぐに自然治癒する風邪がほとんどですが、まれにいつまでも調子が悪かったりする事がありませんか?
そんな時は風邪ではない、ほかの病気を疑ってみることです。
風邪の症状というと咳や鼻水が挙げられますが、この「咳」がしつこく続き、高熱が出ているようなら「マイコプラズマ肺炎」かもしれません。
乳幼児から中学生くらいまでの子供が感染することの多い病気ですが、大人にも感染します。
しかも、大人が感染すると重症化しやすい病気です。
合併症として気管支炎・関節炎・結膜炎などを起こすことがあり、脳炎や肝炎、膵炎なども引き起こす可能性があります。
マイコプラズマ肺炎の主な症状としては
・38℃以上の高熱(夜はとにかく熱が上がる)
・コンコンという乾いた咳(3~4週間は続く)
・鼻水・鼻づまり
・のどの痛み
・倦怠感
風邪の症状と大差がないですよね!そのため「ただの風邪だろう」と思い込んでしまいがちです。
普段健康な人であれば、咳以外は3日~4日くらいで改善します。
しかし咳だけはしつこく残るので、あまりにも長引くようであれば観念してお医者さんにかかりましょう。
高齢者は特に肺炎を誘発しやすく、重症化のおそれがあります。
大人のマイコプラズマ・治療と予防は?
医療機関で「マイコプラズマ肺炎」と診断されれば、適切な抗生物質が処方されます。
普通の風邪と症状に大差がないため風邪だと思い込み、市販の風邪薬を服用するケースが多いのですが、そもそもマイコプラズマは風邪のウイルスとは別物なので効果はありません。
放置してしまうと悪化して咳がひどくなり、呼吸困難を起こす場合もあります。
自然治癒も出来ないわけではありませんが、普段から健康体である事が前提です。
風邪薬を飲み続けても症状が改善されない場合は、医療機関で検査を受けましょう。
血液検査・培養検査・遺伝子検査が可能ですが時間がかかります。
最近ではマイコプラズマ抗原迅速診断キットなるものが開発され、15分で結果がわかるようになりました。
マイコプラズマには予防接種やワクチンはありません。
くしゃみや咳による飛沫感染が主な感染経路ですが、マイコプラズマ肺炎の感染力は強力ではありません。
一般的なうがい・手洗い・マスクの着用など、他の感染症に対する予防と同じ予防法で十分防ぐことが出来ます。
アルコール消毒も有効なので、外出先や帰宅時には活用しましょう。
病気が流行っている時期には、人混みを避ける事も有効です。
大人のマイコプラズマ・出勤は?
インフルエンザの場合、一週間は登校・出勤停止というのが一般的ですが、マイコプラズマはその規定がありません。
咳が出ている間は菌を保有しています。そして感染力もあります。
完治するまで安静にしているのが理想ですが、仕事を抱えているとそういうわけにもいかないのが大人の辛いところですね。
完全に完治するまでは一ヵ月はかかります。
そんな長い期間休ませてくれる会社もなかなか無いでしょう。むしろそんなに休んでいいなんて言われたら、「会社に必要ないんじゃないか」なんて考えてしまってちょっと凹みます。
適切な治療をしていれば一週間程度で咳も若干おさまってきます。
発熱は3~4日で下がりますので、解熱したら出勤のタイミングと考えて良いでしょう。
ただし咳は続きますからマスクは必ず着用し、周りの人に感染させないように細心の注意をはらいましょう。
会社によっては独自に規約を設けている場合もありますので、勤務先に確認をしてみてくださいね。
まとめ
マイコプラズマ肺炎だと思ったら百日咳だった!なんてこともあります。もしくはマイコプラズマと百日咳に同時に感染するケースも。こうなると相当つらい症状になってしまいます。
普段の風邪とは違う咳が出ていると感じたら、早めにお医者さんへ行きましょう。