松の内が過ぎてお正月飾りを外したら、「さあ一年始めますか!」という気持ちになりますね。毎年楽しみなのが「鏡餅」で作るおしるこです。そのため鏡餅は多めに購入して全て飾っておきます。今は小さな鏡餅がパック入りで売られているので、保管も処理も簡単でいいですよね!
鏡餅を飾る意味は?
お正月の準備の際には小さな鏡餅をたくさん買い込んで、玄関をはじめとして色んな場所に飾っています。最近では干支に合わせた小さな人形が乗っていたりして可愛いんですよね!
インテリア気分ではいけないとは思いつつ、つい可愛らしい鏡餅を購入してしまいます。
そもそも「鏡餅」とは神様と人間をつなぐものです。お正月は、新しい年の恵みをもたらしてくださる「年神様」をお迎えする行事です。年神様の依り代(よりしろ)として用意されるものが「鏡餅」です。
「鏡」には魂が宿るとされています。古来より、銅で作られた鏡を神器として神様の依り代としてきました。今も神社などでお目にかかる事がある神器ですね。
「鏡餅」は、この神器である鏡に似ていることから「鏡餅」の名前がついたと言われています。鏡餅は「年神様」の魂が宿る依り代(よりしろ)とされてきました。
年神様の魂が宿った餅をその家の家長が家族に分け与えたことが、現代の「お年玉」の始まりです。
年神様の御魂(みたま)=年魂(としだま)=お年玉 というわけですね。年神様の魂が宿った餅玉を体の中に取り込むことで、その年の力を頂いていたわけです。
鏡餅を飾る場所は?
我が家は毎年玄関に大きな鏡餅を一つ。神棚とキッチンとトイレ、居間に小さな鏡餅を一つずつ飾っています。
昔は生のお餅で手作りしていたので、衛生面から玄関と床の間に飾るのみでした。今は真空パックされていたり外気に触れない状態で売られているので、トイレにも飾れちゃいます。
家の上座となる床の間に一番大きな鏡餅を置きますが、床の間がない家の場合は玄関に大きなものを用意しましょう。
キッチンには竈神様(かまどがみさま)や、荒神様(こうじんさま)といった火の神様がおられます。火の神様たちのために小さな鏡餅を一つお供えしましょう。
寝室には納戸神さま(なんどがみさま)のために鏡餅を用意しましょう。昔からお米や衣類の収納であったり、子を産むための産室であったりと、大切な部屋に祀られてきた神様です。
トイレの神様はとても大切な神様です。「東司(とうす)の神様」と呼んでいますが、「厠神様(かわやがみさま)」とも呼ばれます。安産や子育てに関わる神様として大切にされてきました。場所はトイレではありますが、鏡餅を毎年用意しています。
鏡餅に宿るとされている神様は、家中あちこちにいらっしゃるんです。
地域によっては玄関やトイレは「不浄(ふじょう)」として、鏡餅を飾ってはならないとする土地もあります。
しかし、不浄の場所に飾る事で神様が宿られて場が浄められるという考え方もあるようです。
それぞれの地域で考え方があるようですから、嫁入り先で鏡餅を飾る場合は先に確認しましょう!
鏡餅・いつまで飾る?
鏡開きの日に鏡餅を割ってお雑煮やおしるこで頂きます。神様に感謝しながら食べることによって、無病息災を祈願します。
一般的に1月11日が「鏡開き」の日とされています。この日に下げた鏡餅を家族全員で食べることが良いとされています。
この鏡開きの日にも地域によって違いがあり、関西では1月15日であったり20日であったりします。京都では1月4日が「お鏡開き」とされ、鏡餅が固くなりすぎないうちに切り分ける行事とされています。
江戸時代までは「鏡開き」は松の内の後、1月20日に行われていました。しかし、徳川家光が4月20日に亡くなったため、「20日」は忌日(いみび)とされました。幕府のある関東を中心に「鏡開きは忌日の20日ではなく11日に行う」という風習が広まりましたが、関西方面には正確に広まらなかったため現在のように鏡開きの日にバラツキがあるようです。
鏡餅をお雑煮やおしるこに使う場合、包丁で切ることは切腹を連想させるのでよろしくないと考えられています。木槌を使って開くことが縁起が良いとされていますが、小さい鏡餅はそのままお雑煮やおしるこに入れてました。
神様のお力を「封じ込めた」お餅と解釈して頂いています。
まとめ
時代と共に「鏡餅」の形も変化してきています。鏡餅の形のパッケージの中に小さな切り餅が詰め込まれていたり、二段重ねの形のお餅であったり…。鏡開きの時に砕く必要のなさそうな形やサイズのものが多く、楽と言えば楽です。
どんな形であれ鏡餅を飾る風習と意味だけは、日本の伝統行事の一つとして変わらずに続けていければ良いですね。