まだまだ長い冬の真っただ中で、世のお母さん方は我が子のウイルス感染予防に細心の注意を払っていらっしゃることでしょう。インフルエンザのピークも過ぎ、ノロウイルスもやり過ごしたら、次はロタウイルスの流行シーズンです。
ロタウイルスに感染!?どんな病気?
2月から3月にかけて流行するロタウイルス。ロタウイルスは乳幼児が主に感染し、子供に急性胃腸炎を引き起こします。
5歳を迎えるまでにほとんどの子供が感染し免疫を獲得するので、大人になってから発症しても軽い症状で終わる事がほとんどです。
ロタウイルスは1973年にオーストラリアのビショップ博士によって発見されたウイルスです。今現在では乳幼児下痢症の原因として知られています。
A群~H群まで8種類が確認されており、ヒトは主にAからCに感染しますがほぼA型です。
ヒトだけでなく家畜の病原菌にもなっていて、E・H群はブタに感染し、D・E・Fは鳥類に感染します。
生後6ヵ月から2歳ころまでの乳幼児が特に感染しやすく、初回の感染は注意が必要です。
大人になるまでに何度か感染し、免疫が作られていきます。
ロタウイルスはヒトからヒトへ「経口感染」で感染していきます。食事の食器類や飲みもの、おもちゃなど身の回りのものにウイルスが付着していて感染することがほとんどです。特に乳児は口に手や物を持っていきがちですよね。
ほんの少量のウイルスでも感染してしまいます。
ロタウイルス・症状は?
ロタウイルスに感染すると2日ほどの潜伏期間を経て発症します。長くて4日潜伏する事も!
発症すると突然のおう吐、もしくは激しい下痢で始まります。
ロタウイルスのわかりやすいところは、便が白くなること。子供が下痢を訴えたら、便を確認してみましょう。
ウイルス性胃腸炎と呼ばれる感染症の中ではおう吐や下痢の症状が激しく、3日から長ければ一週間続きます。そのため脱水症状を起こしやすいのも特徴です。症状の落ち着いている間に少しづつ水分補給をしてあげてください。脱水症状がひどい場合はすぐに医療機関へ連れていきましょう。点滴や入院の措置が必要となるかもしれません。
熱も高熱が出るので注意が必要です。39℃を超える高熱になるケースもあるので、子供にはつらい病気ですね。
発症後は一週間ほどで症状がおさまってきますが、けいれんや脳症などの合併症が出る事もあり入院が必要となるケースも。
「急性胃腸炎」で入院する子供の約半分はロタウイルスによるものとされています。
どんな対処をすればいい?
幼稚園や保育園など集団生活の場で感染してしまう事がほとんどです。保育士の先生たちも懸命に予防に努めてくださいますが、小さな子供たち相手ですからなかなか難しいですよね。
お家でもウイルス予防を心がけましょう。
帰宅時には必ず手洗いとうがいを!おやつや食事の前、トイレのあとなど必ず大人が子供たちの手洗いを手伝いましょう。
ウイルスが猛威を振るっている時期は特に、同じタオルを何度も使う事は避けましょう。汚染されたタオルが感染源となる事もあります。お洗濯が大変にはなりますが、手洗い用のタオルはこまめに変えるようにしてください。
子供が感染してしまったら脱水症状を起こさないよう、おう吐物で窒息を起こさないよう観察していることが大切です。
長ければ一週間くらい下痢やおう吐の症状が続く子もいるので大変ですが、一番しんどいのは子供です。一度かかってしまえば次回からは軽度で済む病気なので頑張りましょう。
おう吐物や便にはウイルスが大量にひそんでいます。汚物が乾燥してしまうと、空気中にウイルスが飛散して感染を拡大させる恐れがあります。
キレイに拭き取ったつもりでも、ウイルスは残留しています。消毒も忘れずに!
家庭内感染を防ぐためにも適切に迅速な処理をしましょう。
ロタウイルスには任意で接種できるワクチンがあります。生後6ヵ月から接種が可能ですが、金額などはかかりつけのお医者さんに確認してみてください。安いものではありません。自治体によっては助成金がでるところもあるので、市区町村の保健センターにも確認してみましょう。
感染を完全に防ぐというわけにはいきませんが、重症化は防げます。
まとめ
子供が中心に感染する病気ではありますが、大人が全く感染しないわけではありません。発症しても普段が健康であれば、倦怠感・頭痛・腹痛・吐き気程度の軽い症状で済むことがほとんどです。
ただ、弱っていたり高齢であったりすると、免疫力が低下しているためロタウイルスによって重い胃腸炎症状が出ることがあるので大人も注意が必要です。