「お腹の風邪」と称される「ノロウイルス」の季節がやってまいりました。小学生の娘が学校から帰ると「今日は○○君が給食のあとで吐いて帰ったー」という発症情報を提供してくれます。いや、発症の情報よりも、その事故処理はどんな手順で誰によって行われたんだい?ソコが知りたい!
冬のウイルス感染・家庭内感染を防げ!
冬のウイルスと一口に言ってみても、インフルエンザを代表格として様々なウイルス感染症がありますよね。
1月にはインフルエンザの流行のピークも落ち着いてきて「やれやれ」と言いたいところなんですが、間髪を入れずにお腹の風邪・ノロウイルスが襲いかかってきます。
集団生活の場に身を置く子供たちは、常にウイルスなどの感染症の危険にさらされています。教室内でおう吐など今更驚きません。それよりもどんな「処理」が行われたのかが重要になります。
ウイルス性の感染症は飛沫感染や接触感染するものが多く、○○君のように教室でおう吐してしまった場合、周囲にいたであろう他の子供たちは速やかに遠ざける必要があります。
子供が通っていた保育園では、おう吐と同時に子供たちの避難が始まり、その教室はその日は閉鎖されます。保育士の先生方がマスクに手袋などの完全防備で処理にあたり、消毒も完璧。
小学校では先生が常に近くにいるわけではないので、どうしても最初の対応が遅れてしまいます。
吐いたものや下痢の便によって手が汚染され、その手が触れた場所にウイルスが付着し、そこに触れた他の人がウイルスを持ち帰ります。最終的にその手を介して口にウイルスが運ばれて感染するんです。ノロに限らずウイルス性感染症はこうしてヒトからヒトへうつっていきます。
汚物の処理が不完全であった場合も、放置された汚物が乾燥して空気中に舞い上がります。冬は特に空気が乾燥しているためウイルスが浮遊しやすく、ヒトの口から直接体内に入り込みます。
特にノロウイルスは微量でも感染し、人の体内に入り込んだら急激に増殖するウイルスです。
集団生活の場で爆発的に集団感染するのもうなずけますね。
これを家庭に持ち帰ってくるわけですからたまりせん。もし学校でウイルスが発症したという報告を受けたら、即座に対処が必要です。
ノロウイルス対処法は?
帰宅したら「手洗い」と「うがい」はしていますか?
子供だけでなく家族全員で手洗いとうがいを徹底しましょう。ウイルスが猛威を振るうのは学校の中だけではありません。外にはノロだけでなく色んなウイルスが浮遊しています。
学校で集団で感染するため子供ばかりクローズアップされますが、感染者は子供だけではないのです。むしろ体力のある大人は症状が軽かったりするため、感染に気付かず平気な顔して出歩いていたりします。そう考えるとウイルスはそこら中に付着していますし、空気中にも飛散しているでしょう。
マスクは欠かせませんね!
今はスーパーなどの入口に「消毒薬」を置いてあったりして、ウイルスの感染予防に協力的な店舗も多く見られます。
しかし、ノロウイルスにはアルコールなどの様々な消毒剤に耐性があると言われています。良く見るアルコール消毒液では効果はありません。胃腸炎が流行している時にスーパーで食品を買うなら出来る限りビニールで包装されているものを選びましょう。
ノロウイルスを確実に消毒殺菌するためには「次亜塩素酸ナトリウム」などの強力な消毒薬が有効です。
お家にある「ハイター」などの塩素系漂白剤の中に5%ほど含まれており、代用できます。
ただ手洗いにハイターは使えません!手洗いは石鹸で洗うだけで十分ですが、ウイルスは手のしわや爪の間に入り込みます。指先・手のひら・爪の間・手首に至るまでしっかりこすって、しっかり洗い流しましょう。
ノロウイルスには予防ワクチンも特効薬もありません。もしも感染したらウイルスが排出されるまでは症状を和らげる対症療法で安静にしている他はありません。
家庭で出来る事は?
まず患者の部屋の湿度は50%以上に保ちましょう。乾燥しているとウイルスにとって快適な環境となり活発になってしまいます。乾燥しているとウイルスは空気中を浮遊します。
家のアチコチに消毒用スプレーを配置して、トイレやドアノブ、蛇口など家族全員が触れる可能性のある部分はこまめに除菌しましょう。家庭のハイターで作る事も出来ますし、ミルトンの消毒薬が次亜塩素酸ナトリウム溶液のため、ノロウイルスに有効です。
外出から帰ったら手洗い・うがいは必須ですが、家庭内で感染者が出ている場合は食事の前、調理の前、トイレの後はもちろん石鹸で30秒以上のもみ洗いをしましょう。
この時、指輪も全て外して洗ってください。手を拭くときのタオルはキッチンペーパーなど使い捨てを用意できれば好ましいです。
タオルでも良いですが、全員が同じタオルを使うのはやめましょう。
手洗いの後さらに除菌スプレーするのもオススメです。
発症したばかりだと下痢やおう吐で身の周りを汚してしまいがちです。
感染者が出たら汚物の処理にも慌てず対応できるように準備をしておきましょう。
・ビニール手袋・マスク(使い捨て)
・新聞紙
・ビニール袋
・次亜塩素酸ナトリウム溶液(ハイターなどの代用品でも可)
便の中にも吐しゃ物の中にもウイルスはぎっしりいます。このウイルスを吸い込んだり、直接付着させないように手袋とマスクは必ず装着してください。床などに飛び散ってしまった汚物は中のウイルスが飛散しないように紙で静かに拭き取ります。汚物をふき取った後の床は次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度約200ppm) 、もしくはハイターで作った消毒液でひたすように拭き取りましょう。
汚れたおむつや、ふき取りに使った紙、マスクや手袋はビニール袋に入れて密閉して廃棄します。この時消毒液をひたひたになるまで一緒に入れてやれば尚安心です。
まとめ
我が家では「教室で誰かが吐いたらすぐにマスクをして先生を呼びに職員室まで走れ」と教えています。
ウイルスが蔓延するこの時期は、学校でも病気に関しての指導が行われているはずです。しかし聞いていたり聞いてなかったりの子供たちです。家庭でもウイルスによる怖い病気とマスク・手洗い・うがいの重要性をレクチャーしておきましょう。