2月に入ると冬の間に忘れかけていた「花粉」のニュースが流れ始め、外出はもちろん、洗濯物を外に干すのも神経を使いますよね。今や子供から大人まで、4人に1人は花粉症だと言われています。
ハンノキ花粉症に注意!
「花粉」といったら「スギ」!と即答できるほど、スギ花粉による花粉症発症は非常に多い割合を占めています。
実際にスギ花粉による花粉症の患者数は一番多く、ヒノキを原因とする花粉症もこれに並ぶ勢いです。
早い地域では1月からスギ花粉が飛び始めますが、実は同じ時期にハンノキの花粉も飛散しています。そのため本当はハンノキが原因の花粉症なのにスギ花粉だと思い込んでいる人が多いんです。
ハンノキはブナ目カバノキ科に属する落葉樹で、日本各地に分布しています。スギやヒノキのように風で広範囲に花粉が飛散していく「風媒花(ふうばいか)」のため、花粉症の原因となりやすい木です。
特に北海道と北陸地方に多く見られる木ですから、そちらにお住いの方は花粉症の原因の一つとして注意が必要です。
ハンノキ花粉症はスギやヒノキの花粉症と同じく、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目の充血やかゆみが起こります。
悪化させてしまうとノドにもかゆみが出て、微熱が出たり、倦怠感に襲われたり、鼻づまりによって脳が酸欠になり頭痛に悩まされたりします。
治療法はスギやヒノキの花粉症と同様に、つらい症状を緩和させる対症療法が主になります。
ただ、カバノキ科のハンノキを原因とする花粉症を持つ人は「口腔アレルギー症候群」を併発する恐れがあるんです。
口腔アレルギー症候群とは?
果物を食べて口の中やくちびるがかゆくなった、または腫れたなどの経験がある人は「口腔アレルギー症候群」かもしれません。
アレルギーの原因となるものを口にしたあと、1時間以内に口の中の粘膜が赤く腫れ、かゆみ、ヒリヒリ、のどのイガイガといった症状が出ます。
口だけにとどまらず、花粉症のように目のかゆみや鼻水がでるなどの症状が出る場合もあります。
個人差はありますが、重い症状が出る事もまれにあります。
顔の腫れ・腹痛・下痢・じんましん・呼吸困難などの全身症状が出たり、短時間でアレルギー反応が全身に現れると「アナフィラキシーショック」が起こる事もあります。
花粉症を持っている人は皆、この口腔アレルギー症候群を併発する可能性があります。なかでも特に併発しやすいのが「ハンノキ」をアレルゲンとする花粉症を持つ人です。
ハンノキはカバノキ科に属しますが、実はこのカバノキ科の花粉のたんぱく質と果物の持つたんぱく質はよく似ています。そのため、身体が果物を「花粉」と認識して反応してしまうんですね。
ハンノキだけでなく、カバノキ科のオオバヤシャブシの花粉症も口腔アレルギー症候群を併発する危険性が高い花粉症です。オオバヤシャブシは西日本に多く見られます。
注意点は?
まず、自身の花粉症の原因となっている「花粉」が何の花粉なのかを特定しましょう。
原因である花粉を特定できれば、花粉の飛散する時期に合わせて症状を和らげる治療を行う事も出来ます。花粉は血液検査で特定できます。
カバノキ科の花粉症であった場合は、食べるものに注意が必要です。
特に、リンゴ・桃・サクランボ・イチゴ・梨・ビワなどのバラ科の果物は避けた方が良いでしょう。
豆乳や大豆にもアレルゲンによく似た成分が含まれているため、口腔アレルギーを発症しやすいようです。
メロン・スイカ・きゅうりなどのウリ科の植物、キウイ・マンゴー・オレンジ・アボカド・人参・セロリ・山芋・ごぼう・ジャガイモ・トマト・ヘーゼルナッツも発症事例がある食物です。
ジュースにしたら飲めた、焼いたりして加工したら食べられたなど事例はありますが、個人差があるので基本的には避けておいた方が無難です。
口の中に違和感を感じる程度であっても、アレルゲンを体の中に蓄積させていくと重症化する恐れがあります。
これらの食品を口にする前に、お医者さんに相談しましょう。
まとめ
花粉の飛散する時期は憂鬱ですが、早めの受診と適切なケアで出来るだけ症状をやわらげて過ごせるようにしましょう。
花粉症は粘膜が炎症を起こしている状態です。この粘膜を傷つけることになる「喫煙」は厳禁ですよ!