冬に流行るものといえば、あったかファッションとか、あったか鍋とか、クリスマスソングとか…。インフルエンザや風邪、ノロ、ロタウイルスのようなウイルス性の病気も流行らなくていいのに流行ってしまいますよね。溶連菌やマイコプラズマ、おたふく風邪も流行のピークは冬ですが、もう一つ大人も気をつけなければならない病気があるんです。
冬に流行る病気・水ぼうそう!症状は?
水疱瘡(みずぼうそう)と聞くと、「プールの時期に流行ったような…」と思いますが実は一年中感染します。特に感染のピークを迎えるのが冬から春にかけてなんです。
子供が保育園の時に他のお母さんから水ぼうそうの怖さを聞き、慌てて予防接種の予約を取りました。主に幼児や小学生低学年の子供たちの間で冬から春にかけて流行します。一年通して発症はしますが、夏の暑さには弱いので大流行はしません。ただ最近ではクーラーの普及でウイルスにとって感染しやすい環境が多いようです。
水ぼうそうは「水痘帯状疱疹ウイルス」に初めて感染した時に発症します。一度かかっておけば免疫ができます。
水ぼうそうはとにかく体中に現れる発疹が特徴的です。身体の中心あたりに小さな発疹が現れて、半日もたてば全身へと広がります。口の中や、まぶたの内側に発疹が出ることもあります。1~2日経つと発疹は中に液体をふくんだ水泡(すいほう)、いわゆる水ぶくれになり、強いかゆみに襲われます。この時にかきむしったりしてしまうと細菌感染をおこし、化膿して身体に痕が残ってしまいます。小さいお子さんが感染した場合は爪を短く切り、ミトンなどの手ぶくろをつけさせましょう。
水ぶくれの中の液体にはウイルスがたくさんいます。直接手で触れない事!触れてしまったらしっかり洗浄しましょう。
水ぶくれは3~4日で乾いてかさぶたに変わります。かさぶたが自然にはがれてなくなるまで約3週間かかります。
発疹が現れると同時に発熱もします。発疹が多いほど高熱になるようで、重症の場合は1週間も39℃前後の熱が続く場合があります。
子供であれば重篤化することは少ないとは言いますが、100万人に20人の割合で重症化するケースがあります。最悪死に至る場合もありますから、水ぼうそうかも!?と思ったらすぐに医療機関を受診しましょう。
治療期間は?登校してもいい?
水ぼうそうは「法定伝染病」に指定されているためお医者さんの許可が下りるまで登園・登校はできません。二次感染を防ぐため全ての発疹がかさぶたに変わるまで出席停止です。基準は「水ぶくれが全部かさぶたになっているかどうか」です。
軽い症状であれば1週間程度の登園・登校停止で済みます。
水ぼうそうは潜伏期間を含めると、長期間にわたる病気です。まず感染してから発症するまでの潜伏期間は2週間。この間にウイルスは体の中で増殖を続け、体の外へ出る「発疹」の準備をしています。ただしこの間は感染力はありません。発疹が出始める2~3日前から体調に変化が現れます。この頃にはウイルスの放出が始まっています。
発熱と発疹が確認できた時点で「発症」となります。発疹→水ぶくれ→かさぶた→かさぶたがはがれると完治です。発症から完治までは個人差もありますが、約3週間ほど。潜伏期間も含めると1カ月以上は水ぼうそうにかかっているという事になりますね。
水ぶくれが身体にあるうちは感染します。すべての水ぶくれがかさぶたになってしまえば感染力は消えますので、それまでは外出も控え、家人との接触も避けましょう。
感染経路と予防法
ハシカや結核と同様に空気中に漂うウイルスを直接吸い込む事によって「空気感染」します。咳やくしゃみなどの飛沫で感染する「飛沫感染」、水ぶくれの汁に触れる事により「接触感染」もします。感染経路が多いため、家庭内での感染率は90%と高めです。
スイミングスクールに通っている子が感染してきた事がありますが、水ぼうそうは水を通しても感染します。お風呂も同様です。お風呂で身体が温まるとかゆみが強くなり、かきむしってしまう事もありますから、感染中は家族と同じ湯舟につからせることは避けましょう。
全ての水ぶくれがかさぶたになるまでは、お風呂は家族の一番最後に、シャワーだけで済ますようにした方が無難です。
お家の中に赤ちゃんがいれば、まず隔離しましょう。新生児は免疫が弱いので感染したら重症化しやすく危険です。
周りに妊婦さんがいたら細心の注意を払いましょう。妊婦さんが水ぼうそうに感染した場合、お腹の中の赤ちゃんにも感染してしまいます。
大人になって初めて水ぼうそうにかかった場合、子供よりも重篤化しやすくウイルス性脳炎を起こすことがあります。
保育園に通い始めると色々な病気をもらってきますよね。免疫がないから次から次へと感染し、免疫を作り上げていく大事なステップです。それでも軽く済ませてあげられたらと思いますよね。そこでおすすめなのが予防接種です。
水ぼうそうの予防接種では、水ぼうそうにの抗体を約9割という高い確率で体内につくることができます。感染を100%予防できるわけではありません。しかし症状を軽く済ませられるので、接種しておくことをおすすめします。
2014年10月までは任意接種でしたが、今は定期接種に変更になっています。対象年齢であれば無料で受けることができるのでうらやましい限りです。我が子の時はまだ任意接種でした。けっこう高額でしたが、看病の間会社を休まなければならない事を考えたら安いものです。
現在の水ぼうそうのワクチンは1歳の誕生日の前日から3歳の誕生日の前日までの乳幼児が接種対象で、2回の接種が必要です。1歳より前に感染しないよう気をつけましょう。
子供が水疱瘡になると高い確率で家庭内で感染します。子供は予防接種していて軽く済んだとしても、お父さん・お母さんが過去に感染経験がない場合は重症化する可能性大です。しかも水ぼうそうはうつされた方が重い症状になります。
大人にとっては怖い病気でもあるので、費用は掛かりますが予防接種は受けておきましょう。
まとめ
水ぼうそうの重症化を防ぐワクチンですが、流行が始まってからでも遅くはありません。周りに感染者が出て「もしかしたら…」というような「潜伏期間」であってもワクチンは効果的です。感染後3日以内に接種すれば80%の確率で発症を防げるといわれています。
妊婦さんの場合は妊娠中はワクチンの接種はできません。女性は結婚・妊娠前に予防接種しておけば安心ですね。