全国的に多くの銀行は不動産に対する評価として積算を重視しています。
収益還元法で評価する銀行の方が非常に少なく、積算で融資が厳しい場合に収益還元法を用いて融資が出ないかチャレンジしてみるという程度の扱いが多いです。
不動産投資物件購入時の銀行判断基準は積算
なぜ不動産投資物件購入時の銀行判断基準は積算に偏るのでしょうか?
やはり万が一の場合のリスクとして返済が滞った場合にいくらで売れるのかという部分を重要視しているからに他なりません。
しかし、積算にばかり拘っていると実際の運営が厳しくなりキャッシュフローが途切れた所で本当に競売にかけなければならない状況になってしまいます。
銀行が積算重視だからと言って積算でばかり物件を増やしても運営で行き詰まっては元も子もありません。
不動産物件を購入する際に業者が資産になるので今はキャッシュフローが出なくても将来的に資産価値が云々~という営業トークに騙されないようにしましょう。
そもそも物件を購入しても借りてくれる人がいなければ返済は自分がすることになります。
何のための不動産投資かわかりません。
購入後にすぐキャッシュフローが出る物件でないといけません。
購入後にすぐキャッシュを生まない物件はただの負債でしかありません。
融資を建物で引く
RCマンションが土地いっぱいに建っている物件を考えるとわかりやすいのですがこのタイプの物件はキャッシュフローが出やすくなります。
単純に計算して利回りがあまり高くなくても返済比率を低く抑える事が可能です。
これは基本的に銀行が積算価格を見て融資を出すので建物の耐用年数から残存期間を割り出して融資期間を設定します。
例えばRCが47年の耐用年数で20年経過していれば残りは27年になります。
ここは各金融機関で最大で30年しか見ないといった基準がありますが基本的には耐用年数から経過した年数を引いて残存期間を融資最長期間とします。
出来るだけ長く融資を引けるところから引きましょう。
ざっくりの計算で1億の融資に対して返済期間が27年と10年では金利3%で45万と96万になります。
倍違うという事で実際のキャッシュフローも10%回る物件だったとすると月額賃料合計は83万になり10年の返済では赤字になってしまいます。
建物で引く場合、土地全体に建つRCを仮定すると投資用建物として融資が引けるので利回りが低くてもキャッシュフローが確保しやすいという事になります。
この方法は一般的に広まっているのでこういった物件は競争率が激しく高騰してしまっています。
物件価格が高騰しているので実際のキャッシュフローはあまりよくありませんが融資を引きやすいので主に首都圏では大人気です。
経費や空室率のリスクを織り込んでもキャッシュフローが出る物件はすぐに売れてしまいます。
融資を土地で引く
不動産融資を土地で引く場合は高利回りが絶対条件となります。
土地の広い木造や軽量鉄骨アパートなどケースが多いです。
この場合法定耐用年数をオーバーしていても土地の積算以下で仕入れれば大丈夫です。
銀行へは事業用土地の購入を申請して建物は付属物とします。
土地の積算だけで購入出来れば耐用年数関係なく引く事が出来ます。
しかし、実際は15年程度が限界でそれ以上は難しくなります。
という事は高利回り20%位ないと回りません。
こういったケースも少ないので見つかれば良い投資が出来ますがなかなか見つかりません。
あっても表に出る前に売却されていきます。
ですので頭金を多く入れるか値引き交渉をしてイニシャルコストを抑えるか銀行と折衝して融資期間を長く取るかなどの工夫が必要になってきます。
ここを攻略すればお宝物件に変身させることも可能になります。
まとめ
銀行融資を建物で引く場合にも土地で引く場合にも注意しなければならないのはキャッシュフローが確保できるかです。
不動産投資物件を運用して利益を確保する事が目的で、営業マンのセールストークで資産を増やしましょうなどという無責任な発言に騙されない様にしましょう。
新築の区分などを勧める営業マンにはそんなにいい物件ならあなたが連帯保証人になって下さいと言ってみましょう。
販売が仕事の人に勧められて買うのは不動産投資ではありません。
自らが自らの責任で購入しましょう。